rakuenoh Eveeve&Eve Special
オスカーワイルド『幸福な王子』全回満席にて無事公演が終了いたしました。深く深く感謝!!
12月23日(祝)19:00(売切/当日はキャンセル待ち)
12月24日(水)18:00(当日券、若干枚数あります)
「23日19時の回のチケットが売り切れました。申し訳ありませんが、当日券はキャンセル待ちになります。24日18時の回のみ、当日券を若干枚数販売いたします。キャンセル待ち、当日券受付共に、開演の1時間前です。」
* こりっちが開催しているチケットプレゼントは、24日のチケットのみ行いました。抽選に参加された方の中から、郵送する住所を書かれた方を優先して選出する形となりました。発表は発送をもって代えさせていただきます。
演劇作品では「サロメ」が有名なオスカーワイルドの子供向け小説が原作。童話的な手触りながら、解釈を挟まず、事実のみを淡々と語る原作には不思議な魅力が備わる。楽園王の『幸福な王子』では、原作な忠実な前半と、そこからインスパイアされて描いたオリジナルの『幸福な王子』を重ねて、さらなる深い物語の迷宮を目指す。
過去にy0sukaの旗揚げ作品として初演し好評だった作品を、今回は大幅に改訂して贈る。「エッシャーの絵の中に紛れ込んだよう」と評される楽園王の、10本も発表した今年の中でも、集大成となる最大の作品。
ごあいさつ
「昔見た夢がそのまま叶うなんて思ったことはない。ある日、道が明らかにズレたタイミングで、より現実的な別の夢に軌道修正。けれど、軌道修正された現実的だと思っていた夢に関しても、ああ、どうやら見立てが甘かったらしく、道からはどんどん外れていく。その坂道は下降線。勇気を出して唇噛んでまた、新しく軌道修正をする。少し胸が傷んだ。けれど幻視した小さな希望に、自分の中の発光をやめない“何か”を託す。しかし残酷な運命はそれさえも奪おうと、魔の手を伸ばしてくる。うまく行かない。ああ、うまく行かない。……もうこの頃になれば判ってくる。遅すぎる理解。悪いのは社会じゃない。ほんのちょっと社会も悪かったけど… 悪いのは親や兄弟じゃない。ほんのちょっと生まれ落ちた環境の所為もあるけど… 悪いのは学校でも仕事でもそこで知り合った人達でもない。まあ、足を引っ張るヤツもいたにはいたけど……、最大の元凶。最大の敵。自分。自分自身。ドキューン。心臓を撃ち抜かれる。少しアホだった。計算に失敗した。回りに流された。流されて怠けた。怠惰を貪った。努力を軽視した。すぐに諦めた。すぐに別の方法を試したがった。考えているつもりで未来のことなんて考えていなかった。何も考えてなかった。夢はあやふやで本当はちゃんとした形を成してなかった。あーあ、ぜんぶ自分自身。問題は一番近いところにあった。ここにあった。幸福はどこに?
それを言い訳にしちゃいけないけど、精神分析を勉強した時に腑に落ちたんだ。人間は意思なんかでは動いてなくって、自分の中にある無意識ってロクでもない奴がけっこう勝手にコントロールしてるらしい。敵はお前の中にある。人間ってヤツは力強い意思の力で自分を引っ張ってったりなんか出来ないんだそうだ。ひゃー、僕は人間を、自分を、かなり過大評価していたよ。いつかは何とかなるなると思っていたよ。色々ダメなところもあって、時には邪魔だって入って、100%とは言えないけど、50か、いや正直に言えば30くらいだったかも知れないけど、時間は掛かってもいつかは辿り着けると思っていたよ。意思の力を信じていた。あー甘かった。無理だった。今ではそれがよく分かる。実感で分かってしまう。意思、弱ぇー。
…と、ここまで書いてきたのがこの物語の舞台設定だ。これが演劇やドラマのシナリオならそのト書き部分に、物語が始まる前の設定として、以上のようなことを書いておこうと思う。登場人物の設定。つまりこれは前置き。大前提。始まるのはこれからだ。もう一度言うね。始まるのはこれからだ! 本当に書きたい“物語”は、これから先にある。さあ、幸福への希望の架け橋を渡ろう。
ご挨拶が遅れました。楽園王の長堀です。こんにちは。あるいはこんばんは。これを書いている僕は演劇の演出家です。演劇なんて知らない人にとっては、あんまり馴染みがない仕事だと思うけど映画で言えば監督とだいたい同じ仕事と言っていいと思う。今まで自分で書いた脚本、かつての文豪達が残した古典戯曲なども合わせて、もう100くらいは演出をしてきた。舞台を作る時に、まあ要するに僕を中心に色々やるわけですね。長くこの世界で生きている。だから、何でも演劇を基準に考えるのが癖になってました。ある日アイデアが浮かんだ。現実世界も演劇にしてしまったらどうだろうか? つまり、もうダメダメなあるがままの自分が成功する道は諦めて、演劇で役を演じるように、成功しやすいヤツを演じてしまうのでどうだろうか? そりゃ自分自身のままで成功出来りゃその方が良い。でも、ここまでくりゃ分かる。ぶっちゃけ無理じゃね? あるがままの自分、ここまで見てきたけど、わーダメでしょ、こいつじゃ。愛着もあるし、イイトコもあるの知ってるし、嫌いじゃないぜってヤツも知ってるけど、悲しいけどね、背に腹は変えられない、もう選べるほど選択肢なんて残ってないんだ。“自分は捨てよう”。今のままの自分で行くことは諦めよう。そう思った日、過去の今まで写真を全部捨てて、自分の中で過去と決別して“演じる”ことにしたんだ。演劇のように。世界を舞台に見立てて。あるがままの自分よりマシなヤツ。この戦いに勝てるヤツ。それを演じることにしたんだ。それで幸福になれますか?
そもそも、“あるがまま”がそのまま魅力的で実力があって現実社会に影響力を持つ人間なんて、ははーん、いるのかね? 僕はそれには懐疑的だ。僕は、僕に限らず全ての人へ、あのさ、“あるがまま”を認めてもらって上へ上へと登って行けるって“幻想”、そろそろ捨てたらどう? 実はそう思ってるって言ってみる。それは少女マンガの世界。マンガの中にだけしか「あるがままの君が一番素敵だよ」なんて言ってくれる人は現れない、って思うんだけど、どう思いますか、現実世界をちゃんと見てみて。僕は、ある壁を乗り越えようって時に、それまでの自分ではなく演技で解決しようってやり口は、けっこうイケルって思っている。さ、まずは「さよなら」だ。今までの自分に、歯を喰いしばって、熱くなる目頭を抑えて、「さよなら」を言おう。社会に自分を認めさせたいなら、まずは認められやすい誰かを演じてしまえばいい。自分を捨て、他人に成ってしまえばいい。それでは幸福とは呼べないですか?
今、楽園王の次の公演の『幸福な王子』を準備しています。オスカーワイルドって、かなりスキャンダラスな人生を歩んだ方が描いたお話。童話風だけど、これ、子供向けじゃないな、って思っています。とても凄いことが書かれている。クリスマスの時期だから、リボンをほどき箱を開けたら思わず顔がほころんじゃうプレゼントになるよう、この作品を選びました。僕が描いた作品には、鳥がモチーフの作品がたくさんあって、実はそのどれもが好評なんです。『散ル散ル満チル』、『台詞劇・白鳥の湖』、『仮病ガール』、そして本作。自信作なので、是非遊びに来て下さったら嬉しく思います。上演するのは楽園王って劇団、再来年には25周年を迎えるカンパニーです。上記してきたみたいな、長堀って人がやってます。僕ですが。上記してきた内容を一言で言うと、詐欺師とも言いますよ。気をつけて下さい。基本、ロクでもない人間ですが、もし徹底的に演じて、完璧に詐欺して、時が流れたら、芸術家なんて記録される日もあるかも知れないと思って、今から芸術家名乗っています。わっ失敗したら恥ずかしいですね。
これを読んでもし興味を持ったなら、もし良かったら次の公演、遊びに来て下さいませんか? お久しぶりの方、良かったらたまにはこの機会に顔を見せて下さい。便りがないのが良い便り、きっと元気だろうと思っているけど、顔を見ると安心します。イブイブとイブの二日間、スペシャルな公演をやりますので、本当、是非ぜひ、よろしくお願いいたします。こんな風に、幸福について考えてみました。
楽園王 長堀博士 」
期間 |
2014/12/23 (火)~2014/12/24 (水) |
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劇場 | 東京芸術劇場 シアターウエスト |
出演 |
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脚本 |
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演出 |
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サイト |
※正式な公式情報は公式サイトでご確認ください。 |
スタッフ | 照明:南出良治、音響:齋藤瑠美子、舞台監督:田中新一(東京メザマシ団)、宣伝美術:小田善久 |
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その他注意事項 |
期間 |
2014/12/23 (火)~2014/12/24 (水) |
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タイム テーブル |
12月23日(祝)19:00(売切) 12月24日(水)18:00 |
劇場 | 東京芸術劇場 シアターウエスト |
料金 |
2,000円 ~ 3,300円 【発売日】2014/11/01 (土) 前売2800円、当日3300円 学生前売2000円、学生当日2800円 ※楽園王初めて割、上記より500円引き(劇団のみ) ※カンフェティ、東京芸術劇場の各窓口にてその他、割引チケット有。詳細は各ホームページなどにて。 |
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