ELECTRIC GARDEN
夢の中でボクはキミに向かって話してた。
最初に「体」が生まれる。しかし「私」の誕生はまだで、随分待たなくてはならない。ボクは一生懸命説明する。いつとはハッキリ言えないし、個人差も大きいけど、しばらくは本当は「私」なんてものはなくて、「体」だけの存在なんだよ、本当は。そのことは、ある視点では、「体」の価値を今まで考えていたよりも高めるし、別の視点では、「私」の存在に対する考え方を補正する。ちょっと思いついたのは、「体」のお終いと「私」のお終いも又、誕生と同じく同時ではないだろうということ。「私」とはきっと、「体」に遅れて最期を迎える。だから「影武者」みたいなことも起きるんだ。「私」が単に母親からではなく、周囲からの影響力によって生まれたように、今度は「私」の影響力が長く長く続いて結構お終いにならずに、この世界で長く生き続ける。いいかい? これが言いたかったんだ。「私」はそう簡単には無くならない。そう簡単にはくたばらないんだよ。死なないし、ボクはキミを、キミが考えている以上に、死なせない。そしてボクはまだ窓の外は暗いっていうのに、リビングのソファーの上で目を覚ましたんだ。少し泣いていた。
こんばんは。こんばんは、勝手に夜だと想定してごめんなさい。この文章は楽園王の公演の紹介です。楽園王次回は、旗揚げ以来何度も再演している代表作の上演です。「エレクトリックガーデン」。前回の上演が10年前で、今回で4回目。初演は1992年、日暮里の隣の駅にあった田端ディプラッツでの公演でした。楽園王をスタートさせてちょうど1年目、ある種の気合と工夫を込めて描いた第5回公演作品です。どんなお話かは観てもらうのが一番いいのでここでは触れませんが、楽園王の多くの作品でしばしば描かれる視点、死んだ人との再会がこの物語でも描かれます。しかも、昔大好きだった人との再会、作者にとっても胸をぎゅっと掴まれる気持ちです。まだ二十代だった作者が心を痛めながら書いた作品で、今回、この時代に、また上演をして多くの方に観てもらいたいと再制作を始めました。もし観劇のためにお時間を空けていただけたら、とても嬉しく思います。ちなみに、稽古が進んでからちゃんと発表しますが、上演時間は2時間を越えます。観劇とは迷路の中に入り込むイメージですが、今回の上演ではかなり奥まで行く印象です。現時点での参考までに。劇場でお会いできることを楽しみにしています。そしてボクはキミを、キミが考えている以上に、死なせない。どうぞよろしくお願いいたします。
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https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01a669102h6ca.html
期間 |
2019/03/19 (火)~2019/03/21 (木) 上演時間:約2時間20分(休憩なし)を予定 |
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劇場 | d-倉庫 |
出演 |
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脚本 |
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演出 |
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サイト |
※正式な公式情報は公式サイトでご確認ください。 |
スタッフ | 美術: 楽園王 照明: 長堀博士 照明: 南出良治 音響: 齋藤留美子 音響操作: 吉田望 宣伝美術: 小田善久 舞台協力: 大根田真人 |
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その他注意事項 | *直接的な表現はありませんが、強姦殺人など実際に起こった事件を描いた箇所があります。観劇の年齢などに制限は設けませんが、検討の際には参考にして下さい。 |