楽園王30周年-2021-

別役実『マッチ売りの少女』(延期しました→中止になりました)

サブテレニアン15周年月間

【楽園王『マッチ売りの少女』延期のお知らせ】

予定しておりました楽園王公演『マッチ売りの少女』ですが、今年の9月へ延期とさせていただきます。体調に不安がある出演者がおり、しばらく検査入院をすることになりました。ちなみに新型コロナではありません。9月、劇場と協力し、その時の世の中の状況にも合わせまして、あらためて上演したいと計画しております。どうぞよろしくお願いいたします。

◆楽園王は、1991年に劇作家の長堀博士が自作を自身の手で上演する目的で設立。しかし、劇団の大きな節目として、2000年に第1回の利賀演出家コンクールに出場し、別役実の『マッチ売りの少女』と出会い、初めて古典戯曲とも呼べる名作を上演することになります。その後楽園王は、利賀のコンクールに何度も挑戦し(通算8回!)、2度のSPACでの招聘公演など、古典戯曲を多く手掛けるようになり、大きく方向転換をします。優秀演出家賞などの賞にも届きました。オリジナルを上演してきた劇団を、古典戯曲も上演する劇団に変貌させた切っ掛けの作品。それが、『マッチ売り』でした。

もう少し詳しく書きます。さて、別役実『マッチ売りの少女』が日本の演劇の歴史の中でどんな戯曲であるかは、簡単に調べることが可能なので割愛をします。手に入りやすい書籍にもなっているので、ここでは内容にも触れませんが、ただただ、読んでも非常に面白い不条理劇だとだけ書いておきます。すごく面白い。昨年に別役さんがお亡くなりになり、本当に古典戯曲の仲間入りをしました。楽園王・長堀は、第一回利賀演出家コンクールの課題戯曲として出会い、この作品が楽園王にとって初めての長堀作品ではない上演作品となりました。利賀のコンクールは、日本の演劇界の重鎮、演出家の鈴木忠志が始めた意欲的なコンクールで、演劇の聖地とまで言われる富山県の山奥の利賀村にある芸術公園で開催され、その時の優勝賞金300万円は破格で、コンクールの本気度は高く、全国から若い演出家がたくさん応募、参加をしました。ちなみに『マッチ売り』は初演が鈴木忠志演出で、その時に岸田戯曲賞を授賞、半世紀以上前のことですが、このコンクールにて鈴木さんの前で『マッチ売り』を上演することは、大変プレッシャーの掛かることでもありました。
それで、ここから自分の話を中心に書いて行きます。この作品の上演がキッカケで、楽園王は大きく活動の軌道が変わりました。長堀作品ではなく、古典戯曲を演出家としての長堀博士が演出して上演するカンパニーへとなっていきます。長堀の作品も平行して発表し続けますが、割合としては古典の方が多い時期が長く続きます。演出家として大きなフェスに招聘していただく機会もあり、利賀のコンクールへの連続の出場、イヨネスコ『授業』での優秀演出家賞の授賞など、活躍するのは古典演出の方と言って良いと思います。そのキッカケを作った最初の作品こそが、別役実『マッチ売りの少女』です。カンパニーにとってのエポックメイキングな作品と考えています。
実は、そのエポックだと考える理由は、ここまで書いてきた話だけではなく、稽古の段階から始まっていました。楽園王演劇の特徴でもある「句読点ずらし」という手法を初めて行い、舞台の左右で別々の芝居を同時進行させる演出もこの時が最初で、当時、長堀は、オリジナル戯曲ではないこの作品の稽古の時に、なぜか初めて、今自分の作品を作っている、と思わされたのは大きな経験です。実はこの時の稽古こそが、エポックメイキングだったのかも、と思います。上演の評価としては、ほんの少し良かった、くらいですが、ここまで書いてきたことから、この作品がとても重要な作品になったのは事実です。また、出版されたコンクールの審査の記録を読むに、審査委員長からの、キチンと演出をしていた演出家を幾人か挙げていた中に名前があったことにも励まされました。その言葉に背中を押されて今がある、と思っています。

さて、今年は楽園王の30周年の年です。コロナ禍で一つ公演を行うだけでもストレスが掛かる時期ではありますが、色々工夫して意欲的な公演を行おうと考えています。その中の1つが、『マッチ売りの少女』の再演になります。公演は6月、サブテレニアンという小劇場の、開館15周年の記念公演の一環の中で発表されます。こういう企画にお呼ばれすることは大変名誉なことだと思っています。

えー、そんな作品の再演を、初演のメンバーも交え、実に21年ぶりに行います。どうぞよろしくお願いいたします。

期間 2021/09/09 (木)~2021/09/12 (日)
上演時間:約1時間10分(休憩なし)を予定
劇場 サブテレニアン
出演
  • 田中新一(東京メザマシ団)
  • 最上桂子
  • 大畑麻衣子(miezmiez)
  • 吉成豊
  • 小林なほこ
  • 、ほか
脚本
  • 別役実
演出
  • 長堀博士
サイト

http://rakuenoh.tokyo

※正式な公式情報は公式サイトでご確認ください。

スタッフ
その他注意事項
◆楽園王『マッチ売りの少女』公演においての、新型コロナ感染対策についてのお知らせです。


感染の予防は、2つの柱で成り立っています。
「感染者がその場に居てしまわないようく気をつける。」
「感染者が万が一居た場合でも、万全の感染予防体制を作り、公演における感染を防ぐようにする。」
公による中止の要請など、対策を行った上でも公演が行えない場合も考えられますが、
上記の2つを見据え、下記の対策にて公演を実現したいと考えています。


1)お客様へのお願いです。

お客様には入場の際の手のアルコール消毒、上演中のマスクの着用をお願いしての上演になります。

劇場に入る際には、非接触型の体温計にてお熱を測らせていただきます。その際に熱があり、風邪などの症状が確認された場合には、入場をお断りさせていただく場合もございますので、あらかじめご了承ください。


2)劇場で行う感染予防の案内です。

劇場は、2列客席で、普段は1列で16席が作れるところ、半分の8席とします。2列で合計16席にて、それが1ステージの総キャパになります。

公演は、公演前には出演者をはじめ、スタッフ共にPCR検査を行い、関係者の新型コロナ陰性が約束された状態で行いますが、
舞台と客席との間には、2間を分断するようにパーテイションを設置いたしまして、万全のソーシャルディスタンスにて上演を行います。

また、場内の空気の入れ替えも、換気扇を使用しまして、場面を選んで上演中も行います。上演時間は1時間10分くらいの予定ですので、その中で数回の換気を行い、劇場内にて空気が密閉しないよう配慮いたします。

サブテレニアン(東京都)

期間 2021/09/09 (木)~2021/09/12 (日)
上演時間:約1時間10分(休憩なし)を予定
タイム
テーブル
延期に為、調整中です。

6/3(木) 20時
6/4(金) 15時+20時
6/5(土) 17時
6/6(日) 13時+17時
劇場 サブテレニアン
料金 2,500円 ~ 3,500円
【発売日】2021/04/30 (金)
前売 3,000円 ― 学生2,500円   
当日 3,500円 ― 学生3,000円
チケット取扱

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